2026/05/03 16:20
初めての投稿となるこちらではラッカー塗装について説明したいと思います。ラッカー塗装のメリットやデメリットなどお伝えできればと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

今回の目次です。
1.クリア塗装の種類
2.ラッカー塗装のメリット
3.ラッカー塗装のデメリット
4.製作工程
5.ラッカー塗装のペンのお手入れについて
1.ラッカー塗装とは何か?
そもそもラッカー塗装が何かご存知ない方も結構いるんじゃないかと思っています。
ラッカー塗装とは簡潔にいうとクリア塗装の一種です。クリア塗装というのは染料や顔料などで塗装した上から塗る無色透明な塗装の事をさします。
クリア塗装は大きく分けると以下の種類があります。
・ラッカー塗装
・ウレタン塗装
・ポリエステル塗装
・シリコン塗装
・UV塗装
・漆塗り(透き漆)
この中で1番馴染みのあるものだとウレタン塗装かと思います。
というのも、現在の車にはほとんどの車種で塗られているからです。見た目の良さはもちろんですが、耐久性がかなり高くボディをしっかりと保護しています。車の小傷は磨いたら取れるのはこのクリア層を研磨して削ることで平滑にするからです。磨きすぎるとクリア層がなくなり顔料の層となります。
それぞれの塗装にはメリット、デメリットがあります。ラッカー塗装に関しては昔からあるクリアで昔の車によく使われていました。現在では作業時間が短く簡単で、圧倒的に耐久性の高いポリウレタン塗装やポリエステル塗装がクリア塗装の主流となっています。漆塗りに関してはちょっと特殊な位置づけで、天然の塗料で、少し茶色かかった透明な色味をしています。
2.ラッカー塗装のメリット
ポリウレタン塗装やポリエステル塗装のほうが作業時間が短く、耐久性も高いのになぜラッカー塗装を使うのか?という疑問が出てくるかと思います。そこで私が考えるラッカー塗装のメリットを紹介していきます。
メリット
1.他のクリア塗装とは異なる美しい艶やかさ
2.ラッカー塗装ならではの経年変化
3.塗膜が薄くできる
1.他のクリア塗装とは異なる美しい艶やかさ
ラッカー塗装では他のクリア塗装と違ったツヤ感が得られるところが1番の魅力だと感じています。なかなか表現が難しいのですが、鏡面仕上げにした際、ただ単に光を反射するのではなく、少し上品さを感じるような光方をします。ギターやベースを複数本持っている方であれば比較できる方もいるかもしれません。手触りに関しても鏡面仕上げではありますが、手にしっくりとくる感じがあります。
2.経年変化
これは好みも別れる部分かと思いますが、ラッカー塗装は経年変化が起こりやすいです。具体的にどのようやな変化が起こるかというと、塗膜が黄色っぽく変色、塗膜に亀裂の入るウェザーチェックです。ギターではこの変化が好まれており、より風格のある見た目へと変貌します。新品のギターにあえてこのような処理を施し高値で販売しているものも多くあります。
3.塗膜の薄さ
これに関してはこのペンに当てはまるかは微妙ですが、楽器にはかなり重要な点です。ポリウレタン塗装に比べかなり薄く仕上げることができるのがラッカー塗装の特徴。薄く仕上げることで木本来の質感がわかりやすいのと、塗膜の厚みは音に直結しており、薄ければ薄いほど木の鳴りを邪魔せず理想的な仕上げとされています。
3.ラッカー塗装のデメリット
もちろんデメリットも存在するため、こちらで説明していきたいと思います。
デメリット
1.手間がかかる
2.他の塗装に比べ耐久性が低い
3.ゴムなどの製品と科学反応を起こす
1.手間がかかる
具体的には後ほど説明しますが、ほかのクリア塗装に比べて手間がかかります(漆は除く)。そのためギターでは基本的に高級なモデルでしか採用されていません。
2.耐久性
メリットであげた経年変化の部分がデメリットとなります。具体的には変色が起こってしまう、塗膜にクラックが入ってしまう可能性があるという点です。
3.化学反応
ゴム製品がラッカー塗装面に長時間あたっていると、塗膜が溶け塗装焼けを起こしてしまいます。
4.製作工程
デメリットにもあげてますが、塗装に手間がかかってしまいます。一般的な工程は以下の通りです。
・下地を製作
木軸ペンを製作します。オイル仕上げの木軸ペン同様、しっかりと磨き上げまで行います。
・着色
一般的なギターでは着色の前にシーラーで表面を平滑にし、その上でカラーリングします。
私の場合、木に直接カラーリングを行っています。こちらのほうがより杢がハッキリとでてとても綺麗です。
しかし、木に直接塗り込むため、塗装のムラができやすく難易度は高めです。
・ラッカー塗装
着色した木軸を乾燥させ、ラッカー塗装を行います。
着色しない木軸はそのままこの工程に入ります。
導管がある程度あっても基本的には目止めやシーラーは私の場合使いません。
工程
1. 1回つけ、その後60分くらい経過したら2回目を吹きつけます。
2.1日ほど乾燥させます。
3.乾燥後、デコボコしたラッカーを平滑にする磨きを行います。
4.ラッカーを求めている厚みまで何回かに分けて吹き付けます。
5.吹き付け完了後、最低2日間ほど乾燥させます。ギターを製作している方は7日間くらい乾燥させるようですが、木軸ペンの場合はそこまでは必要ないと感じています。
6.ラッカー塗装を研磨していきます。紙やすりで番手をどんどん細かくしていき、最終的には液体コンパウンドを2種類使用して仕上げます。
5.ラッカー塗装のペンのお手入れについて
オイル仕上げの木軸ペンのように定期的にオイルを塗って上げる必要はありません。
汚れが気になったら楽器用のポリッシュとクロスで磨き上げていただければ問題ありません。ただ、ラッカー塗装の製品を扱うにあたっての注意点がありますので、こちらに関しては気をつけていただきたいです。
注意点
・打痕
ラッカーは傷つきやすく落としたり硬いものが当たったりすると凹みます。クリップがペンに当たる箇所は注意しても凹む可能性が高いです。そのような性質の製品と思っていただければと思います。
・化学反応
ラッカーはゴム製品やシンナーなど化学製品と反応し接地面に後が残ってしまう可能性があります。筆箱に他の筆記具と一緒に入れたりするとゴムに反応する恐れがあります。
・クラック
急激な温度変化があった場合塗装面にクラックが入る可能性があります。尚、十数年使用していると自然とクラックが入る可能性もありますが、ラッカー塗装の味としてお楽しみいただければと思います。ヴィンテージギターにはこのようなクラックが入っており、これを再現した新品のギターも発売されています。
・褪色
光にはあまり強くなく、黄ばみが出てくることがあります。そのため、使用しない時は暗い場所で保管いただくことをお勧めしております。筆箱の中であればちょうどいいのではないかと思います。
いかがでしたでしょうか。
かなり長文になってしまいましたが、知っていただきたいことをまとめてみました。
ラッカー塗装のペンというのは全然馴染みがなく、どういったものかもわからないという方が大半かと思いますが、少しでも知っていただく機会があればと思い記事を書いてみました。今後も不定期で記事を執筆していこうと考えておりますので、よろしくお願いします。
